ここ数年で「パワハラ」という言葉が浸透してきましたが、労働局への相談件数が毎年急増しているのと比例して、当事務所でもパワハラに関するご相談やセミナー依頼が増えています。
難しいのは、どういう内容がパワハラにあたるのかということです。
厚生労働省が平成24年1月にプレスリリースしたものによると、
定義は以下のとおりです。
職場のパワーハラスメントとは、
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。
ここには、上司から部下に行われるものだけでなく、
先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれます。
職場のパワーハラスメントの行動類型は以下の6つ
①身体的な攻撃
暴行・傷害
②精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
③人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
④過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
⑤過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
⑥個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること
そもそも、会社には安全配慮義務がありますので、上記の6つに当てはまるかどうかに限らず、常に従業員の安全と健康を管理しなければなりません。
特に、このような問題が起こった場合には、問題が大きくなる前に早急に会社が対応する必要があります。
問題が大きくなり、手をつけられない状態になってしまうと、当事者だけでなく職場全体のモチベーションが下がり、会社も責任を問われ、解決のために多くの時間が割かれることになります。
また、日頃から問題が起こらないよう、外部講師を招いて従業員を対象に研修を行う等の対策を練っておく必要があります。