1年単位の変形労働時間制とは、
変形時間を1ヶ月を超え、1年以内の一定期間とする変形労働時間制のことをいいます。
1年の中で、繁忙期と閑散期があるような企業には有効的な変形労働時間制といえます。
私が担当させていただいているお客様は、1年変形を利用していることが多いです。
さて、1年単位の変形労働時間制を実施するためには、労使協定に次の5つの事項を定め、労働者に周知し、労働基準監督署へ届け出なければなりません。
① 変形労働時間制の対象となる労働者の範囲
② 対象期間及びその起算日
③ 特定期間
④ 対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間
(1)変形期間を平均して1週間あたりの労働時間が40時間を超えない範囲内にする。
数式:40時間×変形期間の暦日数/7日
例えば、変形期間が365日の場合は、2,085時間となります。
(2)労働政策審議会の意見を聴いて、厚生労働大臣が厚生労働省令で定める限度内にすること。
⑤ 有効期間の定め
なお、④については、対象期間を1ヶ月以上の期間に区分するのであれば、次のような手順で労働日及び当該労働日ごとの労働時間を定めることもできます。
<1> 最初の期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間は、労使協定において確定しなければなりませんが、最初の期間を除く各期間については、取り急ぎ「労働日数と総労働時間」を定めておく。
<2> 最初の期間を除く各期間における労働日及びその労働日ごとの労働時間については、各期間の初日の少なくとも30日前に、過半数組織労働組合又は過半数代表者の同意を得て、当該労働日数及び総労働時間を超えない範囲内で、書面で定める。
次回は、1年単位の変形労働時間制の注意点について記載します。